上海リニア反対“集団散歩”

先週、上海でリニア延伸反対デモってニュースが流れていました。一部では杭州までの延伸反対と伝えられていますが、虹橋空港までの延伸の間違いですな。

で、このデモについていろいろと聞いてきました。
というのは、文化地図の主編の朱大可と張閎がリニア計画路線のすぐソバに住んでるんで、流石によく知ってるんですよねえ。

デモの理由は、健康問題と不動産価格問題にあるそうです。健康問題は電磁波の健康への影響を心配したモノですね。日本人は電気の健康への影響に無頓着だけどね。で、もう一つが不動産価格問題。上海南のリニア予定地近くは、高級分譲マンション街なんですよね。みなさん100~150万元で購入してる。ところがリニアが通ると部屋が値下がりするし転売できなくなるし、また同じクラスの物件を購入するとなると、今や200万元くらいかかる。そりゃ、反対します罠。

で、従来の立ち退き問題は土地は国有地で住民の地上権だけの問題だったけど、今回は分譲マンションという私有財産が絡んでいると、その意味で中国初のケースなようです。

もう一つ、このデモの大切なポイントは、中華人民共和国史上おそらく初めての、ホワイトカラーによる知的デモであることです。なにせ澱浦河沿いの“水景房”なんて概念を発明した高級分譲マンション街ですからね、住んでるのは高給取りが多いのは当然であって、また高給取りが多いと言うことは、教授・弁護士その他、教育水準の高い人が多いわけで、つーことは、ドイツの基準ではリニア両側の緑地帯はどのくらいの広さだ、とか、中国の規定では立ち退きにどのような手続きが必要だ、とか、どういう抗議活動だと法に引っかからないか、とか、まー、役人よりもずっと詳しく調べ上げてしまっているんだとか。

だからデモも、シュプレヒコールを上げてうろうろするのではなく、フラッシュモブ式に南京路に買い物がてら集合!とか言う風に、“集団散歩”を展開したんだそーな(笑)。抗議文とかも、それはまあ名文が素晴らしい毛筆で書かれていたんだとか。この点、法的手段とか手続きを全然知らずにまさしく命がけで自殺したり自殺未遂したりでアピールするしかない農民や非知識層、はたまた釘子戸などと大きく違ってるわけです。

さらに、ホワイトカラーですからねえ、上海の指導層にもそりゃ繋がりがあるわけで。市長は“徐図之”ということになっちゃってるんだそーです。

日本のメディアは、反日デモ以来のデモ、というところに重点を置いて報道してますが、あの学生の鬱憤晴らしと今回の集団散歩事件とは、本質的に問題の所在も背景も違うわけです。権利意識の高まりという報道も、間違ってはいないけど、ちとピントがずれてるわけですな。

ということで、これからどう推移するのか、要注目ですねえ。
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つれづれ > 中国社会

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