国家大劇院戯劇場 夜戯 西廂記
西廂記
- 康健飾張珙(前)
- 葉少蘭飾張珙(後)
- 趙秀君飾崔鴬鴬
- 劉淑雲飾紅娘
- 孫麗英飾崔夫人
台本改変は、なんと、李瑞環。まー、この劇団自体、彼が天津市長時代に作ったワケだからわかるんだけど、しかし、引退後、こういうコトしてたんだね。さらに、張君秋の監修で、遅金声とかも関わってたようで、ナカナカのメンツを揃えましたなあ。
コレ、よーするに『西廂記』の二時間半圧縮版で、鴬鴬ツン→デレ、親バレ、でお終いね(笑)。ということで、前半・中盤は物凄くはしょってましたねえ。京劇は、既知の物語を演じて芸を見せる、という要素が強いワケですが、今時、『西廂記』も知らない連中が多そうだからねえ、物語を完全に追っかける劇にならざるを得ない、ってのはある一面の事実だけど、それで歌い上げが減ってしまうってのは、これまた京劇の魅力をスポイルする諸刃の剣なんだよねえ。
まー、この李瑞環本は、最後の送別にたっぷり三十分かけて歌い上げさせているだけ、この手の圧縮版の劇の中ではマトモな方、だとは言えますが。
さて、今回、一番の収穫は孫麗英。近頃の老旦は、どうもかわいくなっちゃっていけないんですが、彼女はナカナカ、重心の低いドスのきいた肝っ玉母ちゃん系で好感が持てました。
趙秀君は張派っぽかったねえ。高音の抜けが若干気になる時があったけど、声は良く出てました。劉淑雲は、悪くないけど、時折堅さを感じたなあ。
小生二人は、並べるとなんだかんだで葉少蘭は流石だねえ。もちろん、声の張りとか高音の伸びとかは、昔に比べると全然なんだけど、小生特有の「痴」な感じ、独特の色気というかいやらしさというかが出るんだよねえ、彼だと。康健も悪くはないけど、低音の広がりがもうちょっと欲しいかな。
しかし、最後、結婚の条件に状元及第を突きつけられて、応試する張生と鴬鴬の別れで劇終になるとは思わなかった。悲劇的余韻を残す、って意味では悪くないんだけど、でもなあ、圧縮通し狂言に仕立てながらこの終わらせ方ってのは、チト、アンバランスじゃない?
ともあれ、芸は堪能できたんで、良かったのではないでしょうか。





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