いただけない『歴代曲話彙編』
黄山書社から、『歴代曲話彙編』というシリーズが出ています。主編は俞為民と孫蓉蓉、まあ、この二人をカンバンに、南京大学中心で出しているってことでしょう。既刊は、唐宋元編と清代編、明代編もこないだ出たみたいですが、まだ買ってません。「新編中国古典戯曲論著集成」を名乗るように、歴代の戯曲関連の筆記・評論・理論書・目録の類を集めた全集を企図しており、見た目は結構便利そうです。
清代編に、私らが校訂を進めている『劇説』が載っているので、どんな具合か確認してみたのですが、いやー、コレは酷い。
清代編に、私らが校訂を進めている『劇説』が載っているので、どんな具合か確認してみたのですが、いやー、コレは酷い。
『歴代曲話彙編』は、『劇説』の底本に、『読曲叢刊』本を使っている、と書いています。
前書きではこのように、『読曲叢刊』本以外には全く触れていません。
さて、巻四に以下のような箇所があります。

該当箇所は『読曲叢刊』本では次のようになっています。

注目は赤▲をつけた箇所、この項目が『歴代曲話彙編』本では落ちています。
『劇説』の定番活字本である『中国古典戯曲論著集成』本は、やはり『読曲叢刊』本を底本に、国家図書館所蔵稿本を使って校訂しています。その当該箇所は以下のとおり。

やはりこの項目がありません。
ここから、『歴代曲話彙編』は、『中国古典戯曲論著集成』が『読曲叢刊』本を翻刻・校訂した際のミスをそのまま踏襲している、すなわち、底本が『読曲叢刊』本だというのは真っ赤なウソで、既存の校訂活字本である『中国古典戯曲論著集成』本を、全くチェックせずに引き写しただけだということが分かります。
同様に、『中国古典戯曲論著集成』本のミスをそのまま踏襲している例は、他にも数カ所あります。前の図に乗ってる箇所だと、「万伯修」って人名を「万修伯」に誤っている、とかね。
コレはいくら何でも酷いんじゃない?フツー、『中国古典戯曲論著集成』本を参照した、くらいは書くモノでしょう。既存活字本をそのまま踏襲したことを隠しちゃってるあたりは、学生レポートのパクリと同レベルの、低次元な剽窃行為、中国語で言えば、学术造假ってヤツですよ。俞為民大先生の名が泣くというモノです。
ということで、『歴代曲話彙編』、かなりヤバそうなので、取扱注意、ですな。





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