中国文学研究の間違った「メディアミックス」

近頃の若手の院生とかで、中国の明清通俗小説やら近代小説やらについて、「メディアミックス」だ!とアッケラカンと言い放つ手合いが目に付く。
要するに、民間の芸能・演劇・伝承・噂・ニュースなどなどと小説が題材を共有しているのを持ってきて、メディアミックスと称しているワケである。

これは痛すぎる。そもそも「メディアミックス」というタームをどういう意味で使っているんだ?メディアミックスという語は、一般に、マンガ・アニメ・ラノベ・グッズなどの複数メディアで、同じコンテンツに基づく商品を同時展開し、相乗効果によって視聴率や売り上げのアップを図ることをいう。すなわち、マーケティング戦略の名称である。

しかし、それらの研究で言われる「メディアミックス」は、いずれも同じ物語やキャラクターが複数メディアで共有されているという状態を指しているのに過ぎない。そもそも著作権概念が無い時代にあって、話題のネタが多くの人々によって、様々なメディアで何度も再話されるのは、詩経の昔から普遍的に見られる現象であり、そこに一つのコンテンツを複数メディアを通じて売り込む戦略的意図など存在しないのは自明である。戦略が存在しない以上、メディアミックスであるはずがない。

論文のキーワードとなるタームの概念すら詰められていないのは、研究者として非常に問題である。猛省していただきたいものだ。
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読書・研究

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