国家大劇院夜戯『金鎖記』
さて、この劇、張愛玲の小説が原作の新作劇です。一言で言うと、すげー怖かった。小説、読んだこと無かったんだけど、こんな怖い話なんだ。その意味では、伝統京劇的なカタルシスは望むべくもありません。
でも劇としてみれば、舞台美術も構成もよく練られていました。台本も悪くなかったですが、難を言えば、終わりの部分が今ひとつ力に欠けたかなあ。
そんなわけで全体として悪くないのですが、ただ、コレが京劇である必然性はどこにあるのか、と言われると、コレがまた例によって困ってしまうんですよねえ……。





Comments
はじめまして。
経典改変については、大陸テレビドラマがコレまでに散々メチャクチャしてますから(笑)、この劇が問題になることは無いだろうと思いますよ。
むしろ、このような、人を人として描きかつ芸術性の高い新編劇は、京劇の社会的位置づけが通俗芸能からハイブラウな芸術へと変化することを余儀なくされている時代背景にマッチしており、出現すべくして出現していると思いますよ。ところが大陸では、相変わらず、主旋律的テーマで臉譜化された人物が活躍する、プロパガンダ的な新編劇ばかり。これじゃ、じり貧に歯止めはかかりませんよ。
この劇が、そんな大陸の現状に対して一石を投じてくれればいーのですが、でも京劇は、政府の補助金で生きてるのが現状なわけで、その政府文化当局がまたスバらしく石頭と来てるから、こりゃ望み薄でしょうねえ。やれやれ。