JAETメルマガ107コラム修訂版
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◆◇ 中国のネットスラング ◇◆
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千田大介@電脳瓦崗寨
■ネットはスラングを作りだす
近頃のネットは、スラングに満ちている。昔、NIFTYなどのパソコン通信時代には、スラングの数はさほど多くはかったと記憶しているが、インターネットが主流になり、2ちゃんねる系BBSが覇を唱えるようになってから、加速度的にスラングの数が増えている。
そして、インターネット時代に突入してネットスラングが花盛りなのは、中国も同じである。
■中国ネット語トップ20
先日、中国の教育部などが『中国言語生活レポート』を発表したが、それによるとインターネット上で使用頻度上位のネット語は以下の通りだった(日本語は筆者超超訳)。
1【頂】 ワロス
2【555】 (T∇T) ウウウ
3【ding】 ワロス
4【mm/MM】 ギャル
5【LZ】 >>1
6【DD/dd】 弟者
7【88】 (; _ ;)/~~バイバイ
8【偶】 漏れ
9【馬甲】 いD
10【ID】 ID
11【斑主】 板主
12【恩】 ( ̄△ ̄;)エッ・・?
13【汗或寒】 ヘ_ _)ヘ ハハー
14【暈】 ( ̄Д ̄;) ガーン
15【ps/PS】 フォトショ
16【灌水】 カキコ(する)
17【ddd】 テラワロス
18【bs/BS】 逝ってよし
19【楼猪】 スレ主
20【滴】 的
■中国ネットスラングの傾向
上に引いた一覧を見ると目立つのが、アルファベットによる略表記である。なぜアルファベット語が流行るのか、それは勿論、中国語入力が面倒だからである。
上のうち、【ddd】は【頂】の頭文字を三つ重ねた強調+略表記。ネット上の褒め言葉は、【強】系から【頂】系に流行が移ったようだ。【mm/MM】は【美眉】(=妹妹)、の頭文字。【PLMM】だと“漂亮美眉”で、かわいこちゃん(って凄く古っ)。【DD】=弟弟。【LZ】=【楼猪】=【楼主】。【bs/BS】(=【鄙視】)は映画『ライオン‐ロアーズ』とともに流行・定着した言葉。いずれも、本来の漢字表記よりも、アルファベット表記の方が使用頻度が高くなっている。罵り言葉では【TM~】【TMD】(他〓的)もよく使われる(伏せ字にしときます)。
数字表記では【555】(嗚嗚嗚)【88】(拝拝)が入っているが、このほかにも【7456】(気殺我了:ムカツク)・【9494】(就是就是:そうそう)【809】(保齢球:ボーリング)などなど、種類は非常に多い。日本でもポケベル時代に数字語が流行ったことがあるが、携帯・インターネット時代には廃れてしまった。この点は日中で大きく異なっている。
これらのスラングの中には、台湾系の語彙も多い。例えば、【美眉】【灌水】、また【醤紫】(=這様子:へえ)【酷索】(クソ)などの語は、台湾から大陸に進出した語彙である。大陸の中国語は、ここ十年余りで台湾国語系語彙にすさまじい勢いで浸食されてきた。それは主として海賊版ドラマ・映画に負うところが多いと思われるが、ネットもその一翼を担っているのだ。
月刊『ASCII』によれば、台湾では【orz】が大学入試にまで出題されたそうだが、大陸ではまだ流行っていないようだ。台・中の流行のタイムラグを考えると、そろそろ流行り始めるかもしれない。
■相似と相違
ネット文化には、国が違っても同様の現象が発生するケースもある。例えば、2chでは新スレの2番に「2ゲット」と書き込む輩がしばしば見られるが、中国でも同じく2番には【沙発】(ソファー=So Fast)と書き込まれる。
日本の2ch語には、【厨房】【乙】のように、誤変換や同音・近音の語や当て字への言い換えに起源するスラングが多いが、この点は中国にも共通している。上の例で言えば、【偶】(我)・【楼猪】(楼主)などがそれだ。そういえば、しばらく前には【斑竹】と書いたのが、現在は【斑主】が主流になっているようだ。また、【楼猪】の使用頻度も高くなっている。ボード>スレッド、板>楼、という概念の区別が定着したものとおもわれるが、このあたりは、BBSというシステムの制約から似てきてしまうのであろう。音通系としてはこのほか、【稀飯】(=喜歓:好き)【果醤】(=過獎:私なんてまだまだです)【粉】(=很:とても)などがある。
スラングではないが、BBSカキコの日中の大きな差異に、アスキーアートの使用がある。2ch、それ以前のNIFTY時代から、日本ではAAが花盛りであったが、中国でのAAの使用はごく一部にとどまる。これは、AAなんて面倒なことをせずに直接画像を貼り付けてしまう、著作権意識・取り締まりの弱さに起因することは明らかである。このほか、日本はパソコン通信の低速回線による従量課金時代からバーチャルコミュニティが発達していたために、重いデータを嫌う習慣が定着した、という要因も考えられる。
また、顔文字についても、日本の【(^-^)】のような全角顔文字に対して、中国ではアメリカの【:-)】系の半角顔文字が主流である。これはむしろ、日本のネット文化が世界的に特異な発展を遂げていると言える。
一方、褒め言葉には微妙な差異がある。日本の場合、カキコへの賛美は【ワロス】、ちょっと前なら【禿同】【~が良いことを言った】などの例があるが、いずれも、やや韜晦していて直接的ではない。この点、中国の方が【強】【頂】など、ストレートに表現される。
■ゴールデンシールドとネットスラング
上の統計には出て来るはずもないが、中国のネットスラングには、インターネットの自動検閲対策として生み出されるものもある。中国のインターネット監視システム、金盾工程(ゴールデンシールドプロジェクト)、海外で言うところのグレートファイヤーウオールは、2004年頃から“敏感詞”(NGワード)の自動フィルタリング規制をかけている。WebページやBBS、更にはメールや携帯ショートメッセージにNGワードが書かれていると、自動削除されたり、フィルタリングに引っかかって表示できなくなったりするのだ。
しかしこの敏感詞、指定がかなり恣意的である。2004年に、深圳の最高幹部の娘が、親の七光りで自作自演映画を制作、地元の児童生徒が大量動員されたあげくに全国公開、更に自作小説は某文学賞の最終選考にまで残るなど、まさにやりたい放題で全国の顰蹙を買いネット上で叩かれまくったが、さすがは高級幹部、その娘のニックネームをNGワード指定して言論封殺を図った。すると、ネットワーカー達は彼女のニックネームを【女丑女丑】にバラして対策、逆に彼女が【KL】(=恐竜:ブス)であることを如実に写した言葉であると人気を博する、なんて事件まで起きている。昨年の反日デモの際も、当局の態度が当初の黙認もしくは推奨から弾圧に転ずるや、デモの中国語“遊行”や“抗日”がNGワード指定され、ネットワーカーは【YX】や【抗/日】に言い換えて対抗していたものだ。
お遊び・手抜きから言論弾圧回避まで、中国のネットスラングはなかなかどうして、一筋縄ではいかないのである。
■おわりに
近頃、中国ではライトノベルが隆盛だが、それらの文にはネットスラングが多用されている。日本の感覚ではほとんど2ch語で書かれているものまで見受けられる。一方、メディア規制が厳しさを増す中、それでもまだ自由な意見交換が多少はできるBBSは、中国の研究者にとって欠かせないバーチャルコミュニティになっており、学術デジタルデバイドを避けるために、研究者のネットに対する熱意は日本とは大きく異なっている。ネットスラングを知らなければ中国学が研究できない、そんな時代が到来しようとしているのであるwww。
それでは、886!





Comments
> つきましてはこの記事を研究の参考にさせていただいてもよろしいでしょうか。
参考にするのはご自由に。
でも、専門に研究してるんですよね?それで、こんないい加減に書き飛ばした文を参考にしてどうするんですか?教えて君する前に、GGRKS!
はじめまして
中国と日本の顔文字やネットスラングについて研究しているおkdと申します。
上記の記事について、大変興味深く拝見させていただきました。
つきましてはこの記事を研究の参考にさせていただいてもよろしいでしょうか。
また、参考文献・サイトなど紹介して頂ければと思います。
本来ならメールにて伺おうと思いましたが、アドレスが見当たりませんでしたので、コメント欄に書かせて頂きました。ご迷惑でしたら、当コメントは削除して頂ければと思います。
何卒よろしくお願い致します。